棒体操(デイサービス編)
棒体操は、ラップの芯や新聞紙を筒状にした棒を使い、筋力の向上や関節可動域の拡張を目的とした体操です。基本的には上肢の体操として用いることが多く、脳卒中のリハビリで取り入れられている体操です。
今回は棒を使い、片手でできる上肢の体操を紹介します。
1、推奨される対象者
脳卒中などで片麻痺がある方。整形疾患等で左右の筋力や関節可動域に差のある方。
片手ずつ棒を持ち運動を行えるので左右差の改善に効果的です。
棒があればできるので、座位での体操や、マット体操などのバリエーションとしてもお勧めです。
2、導入の様子
地域福祉交流センター(日高デイトレセンター)では15分間の小集団体操(4〜5名)で行い、主に機能訓練士が実施しています。参加者は要介護の方となります。運動内容は片手のみの体操と両手を使う場合と数パターンあり、参加者の状態、体力によって種目を変えています。実際に使用している棒は長さ50cmほどのラップの芯を使用しています。
3、棒体操 手順
⑴準備体操…肩を回します。手首をほぐします。
⑵手首運動…片手に棒を持ち、内側から外側へ手首を返します。
・棒の中心部を持ち腕は前へ伸ばします。
・棒の重さを感じながら手首を返す運動です。
⑶肩の運動…片手に棒を持ち腕は下します。次に肩の高さまで前に腕を上げます。
・棒の中心部を持ち腕は身体に対し前へ伸ばします。
・痛みのない方はさらに上方へ上げていきます。
⑷力こぶ(上腕二頭筋)の運動…片手に棒を持ち腕は下します。手のひら側が正面。
・息を吐きながら肘を曲げてきます。
・上腕は身体に付け、肘を曲げることがポイント
⑸二の腕(上腕三頭筋)の運動…片手に棒を持ち腕は後方へ伸ばします。
・肘を軽く曲げ、肘を軸に腕を伸ばすように声をかけると伝わりやすい。
4、体操のポイント
今回の棒体操では片手でできる体操をご紹介しました。
上肢の筋力の向上及び関節可動域の拡張は、ADLの向上には欠かせない動作改善を図ることができます。
上肢のみの運動の場合肩関節の可動域に十分注意しケガを予防しましょう。
複数で行う場合は参加者の間合いをとり棒が当たらないように気をつけましょう。
過度に重い棒は思わぬケガにつながるので避けましょう。